2009/05/19

『無題』 (本店)

 

 

 

 

 

 

    木の花を好むようになってからかなりの歳月が経っている。

 

    何がきっかけだったのか思い出せないでいるのだが

 

    自分の中に花は木の花と決めているところがあるような気がする。

 

 

    木の花にはどこか遠慮した表情があるように感じる。

 

    桜も良く見ると恥ずかしげに幹から短い柄をのばして

 

    花をつけていたりして、それは数日のことである。

 

    

    主役は幹や枝葉であって

  

    花は一時の客人とばかりに宙に霧散して消える。

 

    いつ咲いたのか人に知らせたがらぬ木も多い。

 

    

    柳・銀杏・プラタナス・けやき それぞれに目立たぬ

  

    挙措で花をつけ知られずに散らす。

 

    これらの木は並木などに植えられているのでおなじみだが

 

    なかなか花どきを気取らせない。

 

    そこに木のはじらいをみる。

 

 

    木の花が好きになったのはその見せたがらぬ、

 

    しかし着実に咲く健気さ律儀さ、そしてしたたかさも

 

    少々入り交じった気性が好きである。

 

 

    我が家の狭いベランダに今が盛りとばかりにベルフラワーが

 

    鉢から零れ落ちそうに咲いている。

 

        

 

    

    薄紫のラッパ型の可愛い小花。

 

    友人から頂いたもので毎年私を楽しませてくれる。

 

    

    木の花を好むようになった私にとってこれはまた私には

 

    たいせつななくてはならぬ友人なのである。

                                                                              

 

                       こうさか  本店 A.K.  

 

 

 

 

 

 

         

 

          

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